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パスポート申請、神奈川県民のワタシは横浜産業貿易センターで行ったのですが、 そこで過ごした1時間にも満たない時間はお笑いショータイムのようでした。
申請を待つエリアでは、『外務省海外安全対策ビデオ』 っていうのが流されてるんですわ。
コレね、ひとことで言うと、普通の人なら爆笑せずにいられないおもしろビデオ。
ヘタなお笑い見るよりよりよっぽど素直に笑えるので、 最近生活に笑いが不足してるわ、という方は、ただちに管轄のパスポートセンターに 行かれる事をおすすめしたい。
公共の場であんなの流すなんて、素人の県民相手のドッキリとしか思えず、 隠しカメラを探してみたが見当たらず。 どうやら相手は心底真面目なようだ。 その真面目さが面白さに拍車をかけるわけですが。
ビデオに出てくる人達の服装なんかからしても、明らかに時代を感じるその作品なのだが、 何よりその内容の時代錯誤ぶりがある種の芸術を感じるほどすさまじい。
基本的に、 『海外ったらこ~んなにコワイとこ。』 という事をこれでもか!と訴える事に終始したビデオで、 ちょっとした寸劇、もとい、ドラマ仕立てになっている。 いや、あれはコント仕立てと表現するのが正確。
そのビデオによれば、海外がどんだけコワイかと言うと・・・
海外の公園でフレンドリーに話しかけてきたガイジンさんに勧められた飲み物に 睡眠薬が入れられていて、うっかり飲んでしまって、さらにうっかり爆睡してしまったところ 所持品をすべて盗られちゃったりする!!
・・・・・・・
ワタシは今まで、海外で知らないガイジンに『ナンカクレ~』と言われた事はあっても、 ご親切に飲み物を提供してくれるようなガイジンにお目にかかった事は一度としてないぞ。 睡眠薬以前の、前提ミスという問題か。
さらに、
買い物中、故意に後ろから洋服にインクをつけられ、『汚れてますよ』と声をかけられる。 『え?』と脱いだ上着をそのまま持ち去られちゃったりする!!!
・・・・・・・
ちなみにこのストーリーには、
『たとえ洋服を脱げと言われても、断固として、拒否する姿勢を貫くのです!』
という熱すぎるナレーションがつけられていた。
・・・・・・・
海外に限らず、白昼堂々『服を脱げ』などと他人から言われるなんていうぶっとんだ話はそうそうナイはずだが。 少なくともワタシにはそんな貴重な経験ないデス。
ビデオのきわめつけは、 さんざんあり得ない『海外ってこわいんだよオムニバスドラマ』の後に叫ばれる、 『あなたは、これでも出かけますか?!』のひとこと。
それまで必死で笑いをこらえていたワタシもさすがにここでKO。
・・・ってか、むしろでかけるよ。
明らかに、海外出かけるより、今時こんなビデオ見せられるこの国にいる方が危険を感じる。 海外より、ガイジンより、こんだけ海外とガイジンを悪者にでっちあげるこのビデオ作成者の方が よっぽどコワイと思うのはワタシだけか??
でも相当おもろい、このビデオ。 あまりにもおもしろかったゆえ、待ち人数が20人もいたのに気がついた時には自分の番がとっくに過ぎていたという。
自分の順番から8人も遅れたところではっと気がついたワタシ、
『すいませーん、順番過ぎちゃってたんですけど~』
って、はたから見たらタダの横入り同然で遅ればせながら申請受付してもらったのですが、 この失態はすべてあの外務省の傑作ビデオのせいだった。
いやーよくみんな自分の順番に気がつくほど冷静でいられたわね、と感心して周りを見渡したら、 そもそもあのビデオを見ている人などいなかったという事実に気付く。 みんな随分もったいない事してるのね。
それにしても、平日の昼間に申請に行ったわりにそこそこ人がいた事に軽く驚き、 その多くがご老人だった事にも驚いた。 最近のおじいちゃんおばあちゃんはたくましく海外にも飛び出ていくのね~。尊敬。
で、窓口でワタシの隣で申請してたのもオール白髪のおじいちゃまだったのだが、
窓口のお姉さんの 『10年のパスポートでよろしいですね?』という確認に、
『あぁ、いいよ~。でもこのパスポートが切れる前にワタシの方が消えてなくなってるかもしらんな~』
って・・・・
ごめん、笑えないから。
周囲を凍らせる球を華麗に投げるおじいちゃま、ステキでしたけど。
お姉さん、思わぬおじいちゃまの言葉にかたまりつつも、 『いえいえ、これからですから!頑張って!!』
・・・って、ここどこ?
この不況のご時世、このシーンだけ見たら高齢者就業支援活動中の ハローワークの窓口かと思われ兼ねぬ。
海外渡航のためのパスポートの申請の場でこわ~い海外のビデオを見せられ、 老人を熱く励ます職員の姿に触れ、 もはや自分が今どこにいるのかわからんくなった不思議なひとときを楽しんでまいりました。
パスポート申請、おすすめです。
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